飴とバブ

居酒屋を出る時に、お口直しにどうぞ!と籠いっぱいの飴を差し出されるのはよくある事だけど、今日はそう言って差し出された籠の中にバブが入っていた。

気持ちの良い風呂にでも入って、ゆったりして下さいねという事だろうか。口直しにはならないけど気が利いている。

僕のポケットにバブが入っているのは、そういう経緯によるものだ。

けん玉でリミックスは可能か

けん玉を見ていた。

それはプラスティック製のけん玉で、玉を皿に乗せた時、木のようなコツコツした心地良い音はなく、カチャカチャした騒がしい音が鳴る。そのチープな音をかき消すように、大きな音でボイスが入ったり、ビットレートの低いサウンドが流れたりする。

まるで、安い肉に濃いタレをかけてごまかしている食べ物みたいだ。素材の悪さを強い刺激でごまかすことは、何の解決にならない。

理想的なミュージックけん玉は、けん玉本来の音色も大切にされたい。けん玉の本体には上質な檜を用い、美しい木の響きを大切にしつつ、陽気なDJのカウントアップや多彩なサウンド(ハイレゾ)は、けん玉の音をかき消さないよう位相を調整しつつ、高音質でさり気なく。けん玉から発せられる全ての音が絶妙なバランスで伝わってくるようになれば、それはもう、けん玉を超える新しい体験になるのかもしれない。

結論:素材感が良ければ、ミュージックけん玉はアリ。

ここで出現します

みなさん、Pokémon GOやってますか。レアポケモン見つけると嬉しいですよね。分かります。

この度、デザインイベント界のレアポケモン[要出典]こと川上がService x Designというイベントにゲスト登壇させて頂くことになりました。今回は、紙とWebという切り口のようで、グラフィックデザイナー時代の話も交えつつ、サービスデザインについてお話できればと思います。ご都合があえば、ぜひお越しください。

Webサービスのデザインに携わるようになる前、僕はグラフィックデザイナーをやっていました。当時は紙を媒体としてデザインを作ることが多かったので、Webの世界に飛び込むことは大変ではなかったか、とよく聞かれるのですが、個人的にはそれ程違和感は無かったんですよね。そういうこともあって、紙とWebを対比ではなく連続するものとして、媒体の多様化みたいな観点で語れれば良いかなという気持ちです。

紙もオンスクリーンメディアも、グラフィックもサービスも、どれも楽しいし、全部好きです。Webサービスのデザイナーになってから、グラフィック時代の話をするのは多分初めてで、当時のことを思い出したりして、少し懐かしい気持ちになりました。

HDH

誰かの行動が、他の誰かの人生に影響を与える事がある。

TEDのプレゼンテーションを聞いていると、そのストーリーや志に思わず感情移入し、自分が全く関心なかったテーマでも感動したりする。Appleの新製品発表会は、自社商品を紹介しているだけなのに、とても面白いしワクワクする。これらはプレゼンターの技量によるところもあるけれど、その思い入れの強さや情熱に視聴者が感化される部分も大きいと思う。

もの作りの現場にいると、こういった感動の種は、日常にたくさん潜んでいることに気づく。思い入れやこだわりを持って何かを作る時、そこには多くの成功や失敗が積み重なる。この試行錯誤と創意工夫の物語は、見るものに学びと感動をもたらしてくれるはずなのだけど、普段はプロダクトの裏側にひっそりと存在していて、なかなか目にすることが出来ない。そこにスポットを当てる事ができれば、とても面白いことになるんじゃないか。これがHatena Design Hourを始めたきっかけだ。

このイベントは、作り手が自分のプロダクトについて、こだわりや見どころを語り、皆でそれを聞くという、とてもシンプルなものだ。ノウハウを教えるでもなく、ワークショップをするわけでもないけど、学びがあり、感動があり、デザインがこれまで以上に楽しくなる、そういうイベントを目指している。参加者アンケートで「いますぐ仕事がしたくなった」というメッセージをもらった時は、まさに我が意を得たりという感じでとても嬉しかった。

ところで、このイベント、どういう目的でやっているのか?とよく質問を受ける。採用ですかと聞かれるが、そうではない。敢えて一つを挙げるなら成長支援だと思う。自分の意図や挑戦の過程を振り返り、プレゼンテーションのパッケージにまとめることは、自分自身の糧になるし、何より、思い入れを持って作ったものを、多くのプロフェッショナルたちの前で披露することは、発表者自身にとって大きな刺激となる。

Hatena Design Hourでは、発表する側、それを聞く側、双方向に、学びと感動をもたらす、そういった場を提供していきたい。第3回目となった先日のイベントも、多くの方にお越し頂き、盛況のうちに終了することが出来た。ご参加頂いた皆さん、運営に関わってくれた皆さん、ありがとうございました。

25%の体感

5箱でこの値段!?安い!って思ったら、1箱あたりの容量少ないじゃん。

そういう思いをしたくないこともあって、これまで頑なに200Wを買い続けてきた僕だけど、箱なしタイプのものにしたかったのと、たまたま見つけた10個入りのソフトパックがサイズ的にもお値段的にも魅力的だったので、今回は150Wを選んでみた。何の話かっていうとティッシュです。ボックスティッシュの話。

ボックスティッシュは使い終わってからの後始末が面倒。箱を潰して、折り畳んで、取り出し口に付いてるビニールシートを箱の内側に手を突っ込んで剥がさなきゃいけない。あと、収納もかさばるので、何とかならないかと思っていた。その点、ソフトパックのティッシュは、ポケットティッシュと同じくビニールパックに入っているので、使い終わっても外袋を捨てるだけで良い。ボックスタイプと比べて、容器が軽い分、安定はしないんだけど、自宅では、ボックスティッシュをティッシュケースに入れて使っているし、むしろビニールパックのほうが都合が良かった。

そんなわけで、いま使っているティッシュは150Wのソフトパックだ。後始末も楽になって、概ね満足しているんだけど、何となく、使い終わるのが早くなった気がしている。実際、200Wから150Wなので容量は50W少なくなっている。それほど気にしていなかったけど、4分の1って、体感だと結構大きなものなんですね。数字では分かりにくいものだ。

これは新天地か

アゲ太郎のアニメすごいなーと思った。

これまでは、ああ、アニメ化するのかーくらいの認識でしか無く、実はそれほど期待していなかったんだけど、何気なく観てみたところ、とても良く出来ていて、次回を楽しみに待っている僕がいる。

当たり前だけど、漫画は音が鳴らない。擬音で表現する事は出来ても、実際には鳴っていない。音楽をテーマにした作品なのに肝心の音楽が無い。つまり、作品の世界観を形成する一番重要な部分が読者のイメージに委ねられているということになる。だけど、かっこよさというのは個々の感性に依存するので必ずしも一律ではない。なので、アゲ太郎のフロアシーンに投影している音楽的なかっこよさみたいなのは、ある程度、人によって違っているんじゃないか。同じ作品を読んではいるが、それぞれの体験に乖離があるということだ。

それでも、作中でかっこいいとされてるDJプレイは、あらゆる視聴者にとって実際にかっこいいものでないといけない。BGMのトラックメイクは当然のこと、そもそも、DJプレイにとんかつの揚がる音を入れるというアイデアで本当にオーディエンスはアガるのかよく分からなかったり、キャベツを刻む速さはBPMと同じでないといけなかったり。音がないメディアでありながら音を使って物語が展開する、この作品をアニメ化するのって、単純に静止画を動画にするというより、アイデアレベルのものを現実化するみたいな大きなチャレンジだったんじゃないかな。

実際に観てみると、アニメのアゲ太郎は細部まで丁寧に作り込まれていて、制作者の職人っぽさを感じた。作品のイメージを大切にしながら、そこに独自の解釈も交えて世界観を広げていくBGM。心地よいテンポを崩さないようきめ細かにエディットされたセリフのタイミング。BPMとシンクロするSE(キャベツとか)。まさか!!!

アニメ化とDJって同じなのか!!!???

弱い紐帯

情報収集の仕組みについてあれこれ議論をしていて、話題は「弱い紐帯の強み」に行き着いた。

「弱い紐帯の強み」というのは、社会的に密な繋がりを持つ人より、繋がりが弱い人のほうが、自分にとって新規性がある情報をもたらしてくれる可能性が高い、みたいな話だと思う。確かに、身の回りで盛り上がってる話題って、まさに自分が興味のある話ではあるんだけど、新鮮さや意外性が少なく、全く新しい情報にはなかなか出会えなかったりする。でも、何気ないところで偶然耳にした話が、新しい発見につながったり、興味を喚起したり、いくら悩んでも答えが出なかった問題に道筋を示してくれたりしたことは、誰しもあるんじゃないかな。

これって、裏返すと、繋がりが密になるほど集団の価値観やそこでやり取りされる情報や偏りがちである、ということなのかもしれない。環境が固定化した時、価値観はどんどん内輪感を帯び、やがては社会の常識から乖離していく。そこに新たな価値を示すのは、強い繋がり同士を繋ぐ弱い紐帯なのかもしれない。

そんな事を考えながら、ブラックコーヒーの後にエビアンを飲んだらベーコンの味がした。