弱い紐帯

情報収集の仕組みについてあれこれ議論をしていて、話題は「弱い紐帯の強み」に行き着いた。

「弱い紐帯の強み」というのは、社会的に密な繋がりを持つ人より、繋がりが弱い人のほうが、自分にとって新規性がある情報をもたらしてくれる可能性が高い、みたいな話だと思う。確かに、身の回りで盛り上がってる話題って、まさに自分が興味のある話ではあるんだけど、新鮮さや意外性が少なく、全く新しい情報にはなかなか出会えなかったりする。でも、何気ないところで偶然耳にした話が、新しい発見につながったり、興味を喚起したり、いくら悩んでも答えが出なかった問題に道筋を示してくれたりしたことは、誰しもあるんじゃないかな。

これって、裏返すと、繋がりが密になるほど集団の価値観やそこでやり取りされる情報や偏りがちである、ということなのかもしれない。環境が固定化した時、価値観はどんどん内輪感を帯び、やがては社会の常識から乖離していく。そこに新たな価値を示すのは、強い繋がり同士を繋ぐ弱い紐帯なのかもしれない。

そんな事を考えながら、ブラックコーヒーの後にエビアンを飲んだらベーコンの味がした。