作曲されたい願望

みなさんはこの曲をご存知だろうか。

そうめんマズイ 茹でたの誰だ
俺だ そうだ 食いたくねえ
ゆるゆる食感 人生そのもの
噛めば噛むほど 惨めだぜ

再興 最強 サイコの国が
群れる社会を マッドにさせる
狂って食べたら そうめんうまい
無限におかわり 10000杯くれ

ゆるゆるしてるが ヌメヌメしてるが
人間五十年 そこがいいのだ

そこがいいのだ そこがいいのだ
そこがいいのだよ

ビールぬるいぜ 冷やしておけよ
俺だ そうだ 気が利かねえ
ぬるぬる喉越し 人生そのもの
飲めば飲むほど のど渇く

再興 最強 サイコの国が
揺れる視界を マッドにさせる
狂って飲んだら ビールがうまい
無限におかわり 10000杯くれ

ぬるぬるしてるが 腹にたまるが
人間五十年 そこがいいのだ

そこがいいのだ そこがいいのだ
そこがいいのだよ

これはHUMOR MORE MOREというバンドの『そこがいいのだ』という曲だ。あなたが知らないのは当たり前で、このバンドは僕が書いた不機嫌ラジオという小説に登場する架空のバンド。実在はしていない。

歌詞は書いたものの、曲はない。曲をつけてやりたいとは思うものの、音楽制作環境を整えるほどのモチベーションも湧かず、なんとなくそのままにしていた。

そんなとき、freedom dictionary 230号をパラパラ読んでいると、SUNOの特集が載っていた。最近はいろんな生成AIサービスが出ているけど、音楽はまだ作ってもらったことがなかったな。

以前、知人からSUNOのことを教えてもらったときは、あまり興味が持てず、ブックマークしたまま放置していたのだけど、アーティストがSUNOについて考察した記事を読んで興味が出てきた。AIによる生成物をどう評価していくかとか、著作権まわりの問題など、サービスの周囲にはさまざまな課題があるものの、新しく登場した表現手段として試してみたくなった。これを機に、お試しがてら、SUNOに『そこがいいのだ』を作ってもらえばいいんじゃないの。

SUNOがつくる『そこがいいのだ』

SUNOは歌詞とスタイルを指定すると、それに合わせて曲を生成してくれる。スタイルは、hip hop funk alternative rockのような音楽ジャンルっぽいものからsad aggressiveのようなエモーショナルなものまで、さまざまなワードが提案される。そこから好みのものを選んでもいいし、自由記入欄に直接説明を書き込んでもいい。

サジェストされたワードを組み合わせるだけで、いい感じに表現できるかどうか不安だったので、ニュアンスを自分で書いてみることにした。

絶叫系男性ボーカルの荒々しい歌声、激しいギター、うなるベース、バタバタと激しいドラム

とても乱暴なテキストでSUNOには申し訳ないと思ったけど、AIはかしこい存在なので、うまくニュアンスを汲み取ってくれるのではないか。そんな期待をしつつ、生成してみたのが次の曲だ。

suno.com

普通にすごい。歌ってるやん!

あんなに雑なプロンプトで、よくここまでちゃんとした曲にしてくれたものだよ。

でも、HUMOR MORE MOREには設定がある。

HUMOR MORE MORE(ユーモアモアモア・HMMM)は、日本のロックバンド。略称は「モアモア」。荒削りながらも、どことなく文学的なニュアンスを帯びた独特な歌詞と、叙情的なメロディ、そして浅野灯人の囁きと叫びが共存する独特のボーカルが特徴で、幅広い世代から支持を集めている。メンバーは高校の同級生だった浅野灯人と矢本トモヤに、音楽専門学校で出会った岡島丘自慢が加わって結成された。バンド名は「ユーモアをもっともっと」という意味ではなく、浅野が好きな海外文学の一節「Humor, more more than a humor」(ユーモアは単なる笑いよりも深い)からインスピレーションを得ている。

メンバー

  • 浅野灯人(あさのとうと・トート)Vo. / Gt.
  • 矢本トモヤ(やもとともや・ヤモトモ)Ba.
  • 岡島丘自慢(おかじまおかじまん・オカジー)Dr.

音楽性

  • サウンド: ポストロックとインディーロックを基調としながら、時にフォークやエレクトロニカの要素も取り入れる実験的な面も。
  • 浅野のボーカル: 囁くような静かな語りと、感情が爆発するような叫びが共存する独特の歌唱法。時折フォルクローレのような民族的な発声技法も取り入れる。
  • 矢本のベース: メロディアスなフレーズが特徴的で、単なるリズム隊ではなく、もう一つのリードパートとしての役割も担う。
  • 岡島のドラム: 正確なタイミングと変則的なリズムパターンの組み合わせが特徴。ジャズドラマーとしてのバックグラウンドが影響している。

沿革

  • 結成:5年前、下北沢のライブハウス「立方体」での初ライブ
  • インディーズ時代:自主制作EPを2枚リリース(「言葉にしたら溶ける」「コンビニなのかよ」)
  • ブレイク:3年前、ロックフェスのルーキーステージに出演し注目を集める
  • メジャーデビュー:2年前、マルーン・シカクーンから1stアルバム「うたた寝タタタ」をリリース
  • 現在:2ndアルバム「そこがいいのだ」をリリースし、全国ツアー『MORE MORE HOUR TOUR』を展開中

エピソード

  • 浅野は作詞作曲に没頭すると数日間食事も取らずに創作することがあり、バンドメンバーから心配される
  • 矢本は実は古典文学専攻の大学院生で、バンド活動と研究を両立している
  • 岡島は「丘自慢」という変わった名前の由来を頑なに明かさず、インタビューのたびに異なる冗談めいた回答をする

これを読んでから曲を聴くと、なんか違うよな〜という感じ。まあ、「絶叫系男性ボーカルの荒々しい歌声、激しいギター、うなるベース、バタバタと激しいドラム」としか指定していないのだから、違和感があって当然ではある。

では、このバンドの音楽性に関する部分をそのままプロンプトにしてみると、出力は変わるだろうか。

バンドプロフィールで曲に輪郭を与える

先ほどのバンド設定から、音楽性に関する部分を抽出する。

HUMOR MORE MORE(ユーモアモアモア・HMMM)は、日本のロックバンド。略称は「モアモア」。荒削りながらも、どことなく文学的なニュアンスを帯びた独特な歌詞と、叙情的なメロディ、そして浅野灯人の囁きと叫びが共存する独特のボーカルが特徴で、幅広い世代から支持を集めている。

  • サウンド: ポストロックとインディーロックを基調としながら、時にフォークやエレクトロニカの要素も取り入れる実験的な面も。
  • 浅野のボーカル: 囁くような静かな語りと、感情が爆発するような叫びが共存する独特の歌唱法。時折フォルクローレのような民族的な発声技法も取り入れる。
  • 矢本のベース: メロディアスなフレーズが特徴的で、単なるリズム隊ではなく、もう一つのリードパートとしての役割も担う。
  • 岡島のドラム: 正確なタイミングと変則的なリズムパターンの組み合わせが特徴。ジャズドラマーとしてのバックグラウンドが影響している。

これを英訳してプロンプトにしてみたのがこちら。SUNOのスタイルは1000文字が上限のようだけど、912文字でなんとか収まった。

HUMOR MORE MORE (HMMM) is a Japanese rock band. Known for their unique lyrics—which are raw yet imbued with a certain literary nuance—lyrical melodies, and a distinctive vocal style where Akari Asano’s whispers and screams coexist, they have garnered a following across a wide range of age groups.

- Sound: While rooted in post-rock and indie rock, the band also has an experimental side, occasionally incorporating elements of folk and electronica.
- Vocals: A unique singing style that blends quiet, whisper-like narration with emotional, explosive screams. The singer occasionally incorporates folk-like vocal techniques.
- Bass: Characterized by melodic phrases; the bass serves not merely as part of the rhythm section but also as a secondary lead instrument.
- Drums: Characterized by a combination of precise timing and irregular rhythm patterns, influenced by the drummer’s background as a jazz drummer.

というわけで、曲の歌詞と新しいプロンプトをスタイルに指定して、新たに『そこがいいのだ』を生成してみた。

suno.com

おおー、だいぶ変わった!

音楽性のニュアンスが反映されている気がする。曲そのものの詳細ではなく、設定のような周辺情報から肉付けできるのはおもしろい。

作曲されるのも楽しい

ほかにもSUNOにはPremierプランで利用できるSUNO Studioという機能があって、生成したトラックをパートごとに分離したり差し替えたり、MIDIトラックやエフェクトを追加したりと、DAWのような環境で細かな編集ができるらしい。

かつてサンプリングが、多くの訴訟を経て「ライセンスを取得してサンプリングする」というスキームを確立するに至ったように、音楽生成もいずれ当たり前の制作技術として定着するのかもなー、とぼんやり考えた。

追記

というわけで、ラジオ風小説『不機嫌ラジオ』はカクヨムにて公開中です。秋頃までには第3回を更新したいものです。

kakuyomu.jp

ペンとノート

どこか出かけるときには、ペンとノートを持ち歩いていることが多い。

なにか思いついたことを、そのときの熱量のまま記録しておくのに、ノートはとても便利だ。スマホのメモだと、文字を入力しているうちに、思考が論理モードになるというか、なんとなく、曖昧な感覚を言語化するプロセスが入ってる感じがする。物事を整理したいときはそれでいいのだけど、ふわっとしたアイデアを高揚感そのまま写しとるには、頭が冷静にならないようにしないといけない。手書きでサラサラ書いていくと、意識が手、もしくはペン先に向く。そのせいか、思考が整理されすぎず、程よく無心に近い状態で情報に変換できる。

媒体は、切り離せるメモ用紙ではなくてノートがいい。書かれている情報に連続性はなくても、思いついたことを書き溜めているというだけで、自分にとって、ノートがノート以上の何かになる。メモ用紙だと情報がバラバラになってしまって収拾がつかないし、書き溜める場所としての愛着が醸成されにくい。

なんでもデジタル化したいブームの時に、メモをiPadに移行しようとした。アプリは色々試してみたけど、絵や文字を交えた整理のしやすさと、ツールの使い勝手の良さなどから、Goodnotesに落ち着いた。

しかし、しばらく使ってみたものの、なんかしっくりこない。ふわっとした思考を手で書き写すという行為は同じなのだけど、iPadだとなぜか殴り書きしてしまって、後で見返しても、その時の熱量がうまく反芻できない感覚があった。あと、タブレットは重い。そして、小型のスリングバッグに差し込むには、ちょっと大きい。そんなこんなで、結局はペンとノートに戻ってきた。

ノートは軽い。気がついたときにサッと出して、気軽に書けるし、白紙のページにアイデアをまとめていく時など、なんとなく一人ブレストをやってるようなモードになって、思考が深くなる気がする。

ノートは書き溜める場所ではあるけど、過去の情報を検索したくなることはほとんどないので、ページ数は少なめで、薄いものが良い。いま使っているのは、無印のスリムノート・無地A6スリム。ページ数も程よく、紙の質感や書き心地も良い。小さくて気軽にバッグに入れられるし、開くとA5っぽい感覚で使うこともできる。

ペンは、uniball ZENTO シグニチャーモデル(0.38mm)に行き着いた。このペンに出会うまではJETSTREAM派だったんだけど、なめらかな書き心地とインクの定着の良さが気に入って、最近はZENTOをずっと使っている。シグニチャーモデルは、ひんやりサラサラしたアルミの手触りがよく、カチッと吸い付くマグネット式のキャップも気持ちいい。愛着の持てる道具という感じ。持つこと、使うことが、こんなに楽しいと感じるボールペンは、他に出会ったことがない。

手軽に使えて、愛着が持てる道具があると、メモがとても捗る。iPadで書いてみたり、色々な方法を試行錯誤したことで、これまで意識することのなかったペンとノートの良さについて、改めて、考えさせられている。

Kindle Colorsoftがちょっと好き

次世代Kindle Oasisの夢が潰えたいま、かつてのKindle Oasis大好きヒューマンはどのような人生を送っていますか。

Kindle Oasisが好きすぎて、壊れても壊れてもまた買い直しながら、USB Type-C搭載の次世代Kindle Oasisを待ち続けていた僕だけど、今ではすっかりBOOX Pageの人になってしまった。ダメもとで買ってみたこの端末はとても良くて、Kindle Oasis買ったばかりなのに次世代機種が発表されてしまう悪夢からも解放された。Kindle Oasisのことが今でも大好きという方は、ぜひこの端末をおすすめしたい。BOOX Pageの中古を探してもいいし、後継機種を買ってもいいと思う。

とにかく動作が早くて、ディスプレイも美しくて、メモリを拡張して本を持ち運び放題、そして、Kindle以外のプラットフォームの本も読めるこの最高のBOOX Pageにも弱点がある。それは、お風呂読書ができないことだ。

Kindle OasisはIPX8等級の防水機能を備えていて、真水で水深2メートルまで最大60分、または海水で水深0.25メートルまで最大3分まで耐えられるらしい。水深2メートル以下の浴槽を使っている僕は、Kindle Oasisを浴室に持って入って、長々とお風呂読書をしたものだった。壊れたけど。

電書読むなら、もうBOOX Pageでいいじゃん。そう思いながらも、お風呂・・・お風呂・・・と、どこか心にモヤモヤを抱えていた僕の前に現れたのが、カラーの電子書籍リーダーKindle Colorsoftだった。Kindle Colorsoftは僕の心に語りかけた。「その地味な白黒のライブラリ、カラーで眺めてみたくはない?」

いやいや、カラーE-inkディスプレイはこれまで見たことがあるけど、だいぶ大味な感じで、確かに色はついてるよね、くらいの感じというか、カラーで読書できるよ!って大風呂敷広げてしまっていいの?みたいなやつだったよ?

半信半疑の僕に、Kindle Colorsoftはこれを見なさいとブラックフライデーセールの画面を見せつけた。それから一瞬記憶が途切れ、気がつけば僕はKindle Colorsoftを注文していた。SwitchBot AIアートキャンバスを買おうとしてやめたお金を、こちらに充てさせていただいた。

Kindle Colorsoftがやってきた

パッケージを開けてカラーの画面が出てきた時は、ちょっと感動した。そうか、静止中の画面もカラーなんだね。モノクロKindleの壁紙は重厚なものが多いのに対して、Kindle Colorsoftは壁紙も軽やかで美しい。思わず、何度も壁紙を切り替えて、うっとりとカラーの表示を眺める。もうこの時点で、買って良かった〜!と思った。

手に取ってみて、初めて実感したのは、ソフトなカラーと本の相性の良さ。購入前に、パソコンのディスプレイで写真を見ている時には、カラー表示のソフトさについてはネガティブな印象だった。カラーE-inkディスプレイは、どうしてもタブレットのディスプレイほど鮮明なカラー表現ができない。だから、「ソフトカラー」はその弱点を逆手に取ったコピーだと思っていた。でも、実際手に取ってみると、不思議と目に馴染んで、むしろタブレットで見るより紙の本っぽく感じることさえあった。

改めて考えてみると、電子書籍はRGBで、紙の書籍はCMYK。ディスプレイで見ているカラーは、実際の印刷物より色域が広い。つまり、タブレットで見ている電子書籍のカラーは、紙の書籍より鮮やかで、紙の書籍では、もう少し落ち着いた色味で見ていることが多いのではないか。

本に色がついてる〜!

ライブラリがカラーになった。なんと華々しいことか。思わずライブラリをスクロールして、いろいろな本の表紙を眺めてみたくなる。この写真を見ると、色薄いな〜と思うかもしれないけど、実際に手元で見た時の印象はもっと良い。あとは、カラーページをモノクロKindleで読んだ時の、あの薄暗く沈んだ感じ、あれがカラーになる。

やはり、カラーであるところが、ちゃんとカラーになっているのは素晴らしい。不可逆の変化というか、モノクロ端末のライブラリをみた時に物足りなさを感じるようになってしまった。

良くも悪くも紙の書籍っぽい

カラーE-inkディスプレイは、モノクロ表示でもカラーフィルタ層を通過するため、白がざらっとした質感になる。やや薄暗く、ノイジーなグレーっぽい感じ。コミックス紙のテクスチャーや印刷の解像度に近い印象もあり、これも紙の書籍を読んでいる感覚にさせてくれるのだけど、すっきりしたモノクロE-inkディスプレイに慣れた目で見るとやや気になる。

一方で、モノクロE-inkディスプレイは、顔料が存在しない部分は、基材そのものの白になるので、白黒のメリハリがすっきりする。繊細な描写やモノクロのコントラストが美しい。モノクロのマンガを、美しい線、美しいベタを楽しみたい場合には、モノクロの電子書籍端末の方が明らかに良いと感じた。

まとめ

お風呂読書を再開できたのは良かった。なんと言ってもそれに尽きる。今後は水没による故障のリスクを減らせるよう、コネクタキャップで穴を塞ぎ、充電もケーブルではなくワイヤレスで運用しようと思う。カラー表示については期待していなかったけど、手に取ってみると、意外と満足度が高かった。カラーで見ると楽しいことも多いので、これからも使っていこうと思う。

とはいえ、高精細でメリハリのある誌面も捨てがたい。BOOX Pageからの移行も考えたけど、これらは別物として併用していくことにした。ようこそKindle Colorsoft、これからもよろしくBOOX Page。

今日も僕は、お風呂でまとめ買いしたパトレイバーを読み返している。

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会食プロンプト

大人になると、会ったことがない人と食事をする機会が増える。しかし、よく知らない人と、よく知らないまま会っても話が盛り上がるはずがない。有意義な時間にするためには、相手について基本的な情報を把握した上で会うべきだし、それがマナーというものだろう。僕たちはビジネスパーソンなのだから。

もし、会食の予定が決まったなら、事前調査から始めよう。秘書を呼んで、よく知らない人に関する情報をレポートにまとめてもらおう。そう考えたところで気づく。あれ? そういえば、おれ、秘書いないじゃん!

これは困った。秘書がいない側の人類である自分には、夜なべしながらインターネットの大海をサーフィンし、情報のピースを求めて彷徨い続けること数十年、気がつけばワシも随分歳をとったものじゃ……と、本来の目的を忘れてSNSのタイムラインをひたすら眺め続けるような未来しか待っていないのだろうか。いや、そんなことはない。厳密に言うと、2024年12月まではそうだったのかもしれない。しかし、今はDeep Researchがあるではないか。

僕たちはインターネットで何かを調べるとき、検索して有益な情報を探し、それをまとめたり、参考になるページのURLを記録したりする。Deep Researchは、AIがそれを代行してくれる。DQ3の転職ルートについてまとめてもらったら、他の職業から勇者に転職するプランを提案してくれたりして、若干不安な気持ちにさせてくることもあるが、そういうところも拙い秘書の愛らしさと捉えると大らかな気持ちになれる。勇者は転職できないし、転職でなれる職業ではない、みたいな当たり前のことは、わざわざ攻略サイトには書いてないよね。ゲームのことを全く知らない秘書が、知らないなりに地道に攻略サイトを見ながら、丁寧にまとめてくれたのだろう。

会食のためのプロンプト

というわけで、長々とした前置きになったが、以下のプロンプトをGeminiに放り込んで、しばらく待っているだけでレポートは完成する。モデルはGemini 1.5 Pro with Deep Researchを使用。まとめてくれたレポートは、そのままGoogleドキュメントに保存することもできる。

{Organization}の{Title}{Name}氏と会食の予定があり、十分な前提知識を持って臨みたいので、{Organization}と{Name}氏についてまとめて欲しい。会社の過去や未来、そして{Name}氏個人に関する情報、経歴や考え方、趣味、エピソードなど。出典や情報源のリンクも併せて添付してください。

{Name} に名前、{Title} には肩書きなど、{Organization} には組織名を入れて使用する。ググるときに {Name} だけで検索すると、世界中に数多存在する {Name} という名前の人がゾロゾロと出てくるので、対象を絞り込むために付加情報を足していくイメージ。記載する内容は、検索で目的の情報を引き出しやすいキーワードを考えるイメージで柔軟に調整すると良い。もし、わからなければ、実際に検索してみて、自分が求めている情報が一番多いものにすればいいと思う。

稀に「その人物については十分な情報がない」と断られるケースもあるが、名前の書き方や質問を微調整して再度リサーチしてもらえば良い。修正せずに同じ文章でやり直すだけでうまくいくこともあるので、Geminiの気分次第なのかもしれない。

リサーチ結果の品質については、リサーチ対象の情報がインターネット上にどれくらいあるかによって変わりそうだ。著名人であったり、そうでなくても、ブログや広報記事、インタビューなど、インターネット上のコンテンツに露出が多いと、品質が安定しやすいように感じる。インターネット上の情報をリサーチしているのだから、当たり前ではあるのだが。

Deep Researchしてみる

試しに上司のことをリサーチしてもらったら、結構いい感じのレポートが出来た。そのまま掲載したいのだけど、さすがに上司に関する個人レポート(しかも嘘が混じっているかもしれない)をそのまま掲載するのは憚られる。なので、ここでは自分の情報をディープエゴサしてみる。僕の場合は、本名だけでは情報量が心もとないので、はてなIDやSNSのユーザー名も併記してみた。

株式会社はてなのデザイナー川上淳( akawakami / @akwkm )氏と会食の予定があり、十分な前提知識を持って臨みたいので、株式会社はてなと川上淳氏についてまとめて欲しい。会社の過去や未来、そして川上淳氏個人に関する情報、経歴や考え方、趣味、エピソードなど。出典や情報源のリンクも併せて添付してください。

これで出力されたものがこちら。23件のウェブサイトをリサーチしてまとめてくれたらしい。上司リサーチは92件のウェブサイトがリストアップされていたので、素材となる情報量には大きな差がありそうだ。

g.co

非常に本物っぽい。所々、間違いだったり、勘違いだったりする情報も混じってはいるのだけど、全体的には本物っぽくまとまっている。これを元にリサーチしてきた人と会話をしても、それほど違和感を感じないかもしれない。

インターネット上の情報量が少ない場合は、どうしても内容が薄くなったり、同名の別人、別会社の情報が混じったりして、怪しい情報が混在する。まあ、人間でも勘違いすることはあるのだから、間違ってるところもあるかもね、くらいの気持ちで受け取ると、ちょうど良さそうに思えた。

まとめ

勇者の転職問題もそうだが、良くも悪くもリサーチ対象がインターネット上の情報に限られるところに、Deep Researchの限界のようなものがあるのかもしれない。インターネットにない情報は調べようがない。とはいえ、同名の別人や別会社の情報を誤認してしまうところなどは、Deep ResearchのモデルがGemini 2.0になれば、さらに精度は高くなるんじゃないか。

なんといっても、この秘書はインターネットに接続できれば、いつでもどこでも呼び出せるので、会食で予定外の人物が登場しても安心。その場でこっそりスマホからリサーチを依頼すれば、数分でレポートをまとめてくれる。

とはいえ、事前調査はあくまで会話の取っ掛かり。足りない情報や、もっと詳しく知りたいこと、パーソナルな話題など、インターネットにない部分を掘り下げていくのは人間のターンだ。

秘書のレポートを片手に、今日も良い会食を。

さようならポップコーン

ポップコーンを買いに行きたい気持ちと15分間くらい頭の中で戦い続けたのち、僕はおもむろにバウムクーヘンを手に取って椅子に座った。

1月は帰省でいただいたお菓子が家にいろいろある。とてもありがたいが、ポップコーンを買いに行きたかった。

地味にYOかった2024

振り返ってみると、自分にとって2024年は、少々大味というか、印象の薄い一年だった。重要なモノやコトがいろいろあったはずなんだけど、改めて今年の一番を挙げよと言われると、パッと思い浮かんでこない。それでもなんか捻り出してみようと考えたところ、頭の中に、昨日食べたポンデリング美味しかったなーという感想が浮かんできた。なんと地味なことか。っていうか、昨日のことではないか。一年の締めくくりとして、これはよろしくない。

しかし、思い返してみると、2024年は地味めの買いものに当たりが多かった。これ買ったよ!と改めて誰かに紹介するわけではないけれど、これまで当たり前だった何かが大きく変わって、気がつけば日々の生活の中で定着している。そういうものが多かった。

そこで、今回は2024年を振り返り、後世(2025年のこと)に語り継ぐべきYOかったものを、ここに記録したい。

骨盤職人

マッサージに通う必要が無くなるから、浮いた施術料で元が取れる!みたいな商品レビューを見るたび、はいはい、そうは言っても、実際は物足りなくなって、またマッサージに行っちゃうんでしょ?と冷ややかな目で眺めていたんだけど、こいつはマジなやつだった。

ツルツルの木ONLYの素朴すぎる佇まいに圧倒されつつも、揉み玉の位置を合わせてゴロゴロと寝転がってみると、まるで指圧のような心地良さ。取説を読むまでも無く、初見で使えて、すぐに効果が実感できるのも良い。

ウッドボールに7,700円かあ〜と躊躇する気持ちもわかるが、マッサージに通う必要が無くなるから、浮いた施術料で元が取れる。肩こリストはマストで必携。

thepelvis.net

uka scalp brush kenzan

頭皮マッサージはとても気持ちが良い。美容院に行くたび、もう髪は切らなくていいから、このままずっと揉んでいて欲しいと思う。

あの感覚を気軽に体験したくて、ハンディタイプのマッサージ機も買ってみたけど、マシンにグリグリされる感じがどうも好きになれず、あまり使わずに放置してしまった。

kenzanは程よい硬さと握りやすさで、ちょうど良い圧で頭をマッサージできる。針の先が一本欠けてしまったので、新しいものを買い直したい。

uka.co.jp

loop earplugs Quiet2

寝ようとした時に空気清浄機がヴィ〜ンと重い音を立てるのが気になる。そんな時に、耳栓があるといいなと思った。

作業に集中したい時など、音楽をかけていないのに、よくイヤホンを着けっぱなしにしていることが多いのだけど、こういう耳栓があったら良いのにって思っていたらここにあった。

見た目はものすごくイヤホンだけど穴がない。耳栓っぽい圧迫感も少ないし、遮音性も程よい感じ。カラーバリエーションが豊富なのも楽しい。

www.loopearplugs.jp

らくハピ エアコンの防カビスキマワイパー

嫌なにおいが完全に消えるテクニックとして話題になった「部屋の窓を開けて16度で1時間運転」をもってしても嫌なにおいが消えなかった我が家のエアコンから嫌なにおいを完全に消し去った奇跡の棒。

熱交換器ばかり掃除していた我が軍に対し、敵は吹き出し口にあり!!と号令が下された。これが後に言う「本能寺の変」である。

「部屋の窓を開けて16度で1時間運転」では、熱交換器やドレンパンの汚れは流せても、吹き出し口の汚れはきれいにならない。エアコンのにおいがなかなか取れないと困った時には、吹き出し口をスキマワイパーでふきふきしてみることをおすすめする。

www.earth.jp

ビッくらポン外れるとまじでムカつく

こういう話がある。

ビッくらポン!は、くら寿司の皿カウンター水回収システムを使ったゲームだ。食べ終わったお皿を5枚、コインのように投入すると、タブレットでゲーム動画が始まり、当たりが出るとガチャが1個落ちてくる。皿カウンター水回収システムは、回転寿司におけるテーブル皿タワー問題をスマートに解決したとても素晴らしい仕組みなのだけど、それに付随するお楽しみ企画のビッくらポン!には、お楽しみという単純な言葉では括りきれないくらいの感情の機微がある。

ビッくらポン!は非常に当たりにくい。個人の感想ではあるけど、非常に当たりにくいと思う。そして、ゲーム動画のハズレ演出がとても悔しい。射的で矢が丁度良いところに飛んでいき、これは当たるかも!?と思わせたところで、急にサングラスをかけた意地悪な男が登場し、それを弾いてハズレにする。外れたけど残念だったね!でも惜しかったね!というような労いではなく、全力で悔しがらせてくるところにムカつきがある。ビッくらポン外れるとまじでムカつく。

でも、よく考えると、ムカついている自分の顔は、自分で見ることはできない。まじでムカつくと言っていても、案外表情にはそれが表れていなくて、あれ?この人、X(旧Twitter)で「まじでムカつく」ってポストしてた割には無反応じゃない?あれはいいね稼ぎのネタだったの?などと思われてしまうと困る。僕は本当に、まじでムカついているのだから。

ならば、今一度、ビッくらポン!に外れてムカついている顔というものを客観視する必要がある。何か良い方法はないかと考えたところ、Grokに似顔絵を作ってもらった人たちのポストが目に留まった。

自分の顔はもう十分に知っているので、改めて作ってもらう必要はないけど、ビッくらポン!に外れてムカついている顔を作ってもらえるなら見てみたい。X(旧Twitter)は人々の様々な感情がぐるぐると渦巻く場所だし、それをリアルタイムに学習し続けるGrokであれば、一般化された「ビッくらポン!に外れてムカついている顔」を表現できるのではないか。

Grokによる画像生成

ビッくらポンに外れて悔しがっている人の画像

悔しそう。きっとサングラスの男に矢を弾かれたのだと思う。せっかくなので、当たった顔も作ってもらった。

ビッくらポンに当たって喜んでいる

いずれも良い顔してるけど、なんか違和感ある。っていうか、ここ、くら寿司じゃないぞ?そこで、共有ページのテキストを見てみたところ、

I generated an image with the prompt: 'person looking disappointed after failing to win a prize from a Japanese game show called Bikkura Pon'

とあった。

なるほど。どうやらGrokはビッくらポン!を知らない。日本のクイズ番組だと考えている。Grokにビッくらポン!のことを学習させてやる必要がある。

Grokにビッくらポン!のことを教える

Atsushi:
ピッくらポンは回転寿司屋さんにあるガチャガチャくじです。お寿司を食べ終わったお皿を5枚集めると一回くじが引けます。まずはこのルールを覚えてください。

回答:
了解しました、Atsushi。ピッくらポンのルールは以下の通りです:

- 回転寿司屋さんにあるガチャガチャくじ
- お寿司を食べ終わったお皿を5枚集めると一回くじが引ける

何か他に知りたいことがありますか?

基本的なルールを教えた。ビッくらポン!は日本のクイズ番組ではない。

Atsushi:
このくじはなかなか当たりません。また、外れた時に表示されるアニメーションがとても悔しい気持ちにさせます。

回答:
そうですね、ピッくらポンは確かに当たりにくいですね。外れた時の悔しいアニメーションも、気分を落とす一因になりますね。何か気晴らしになる話題はいかがですか?

表情にしっかり反映されて欲しいので、ビッくらポン外れるとまじでムカつくことを教えた。

Grokによる画像生成

Atsushi:
これらを前提知識として、ビッくらポンに外れて悔しがっている人の画像を作ってください。

これらを前提知識として、ビッくらポンに外れて悔しがっている人の画像を作ってください

納得いかない表情。きっとサングラスの男に矢を弾かれたのだと思う。せっかくなので、当たった顔も作ってもらった

ビッくらポンに当たって喜んでいる

不敵な笑み。カイジのEカードのような心理的な駆け引きすら感じさせる。どういうゲームなんだ。そして、その器具はどのように使うのだろう。

とはいえ、いずれの画像にも、場所が寿司屋になり、何らかのゲームっぽい器具が追加された。意味不明ではあるが、グローバルな知の集積によって一般化されたビッくらポン!は、案外こういうものなのかもしれない。

ビッくらポン外れるとまじでムカつく。

おまけ

読む時間がない人のために、このブログを Gemini 2.0 に朗読してもらった。作業をしながら、ながら聞きしてみてください。