けん玉を見ていた。
それはプラスティック製のけん玉で、玉を皿に乗せた時、木のようなコツコツした心地良い音はなく、カチャカチャした騒がしい音が鳴る。そのチープな音をかき消すように、大きな音でボイスが入ったり、ビットレートの低いサウンドが流れたりする。
まるで、安い肉に濃いタレをかけてごまかしている食べ物みたいだ。素材の悪さを強い刺激でごまかすことは、何の解決にならない。
理想的なミュージックけん玉は、けん玉本来の音色も大切にされたい。けん玉の本体には上質な檜を用い、美しい木の響きを大切にしつつ、陽気なDJのカウントアップや多彩なサウンド(ハイレゾ)は、けん玉の音をかき消さないよう位相を調整しつつ、高音質でさり気なく。けん玉から発せられる全ての音が絶妙なバランスで伝わってくるようになれば、それはもう、けん玉を超える新しい体験になるのかもしれない。
結論:素材感が良ければ、ミュージックけん玉はアリ。